林田春次郎翁・還暦祝い・「刺繍の屏風」
最近、昔からここに在った「日本刺繍の屏風」を大広間にさりげなく展示している。
この屏風は、この館の初代ご当主「林田春次郎さん」の還暦のお祝いの記念の
屏風なのですが。ー当たり前のように「昔」からあるものに「目」が届くのに、随分
時間がかかったように思う。ー思えば、そのような品々が「お屋敷」も含めて沢山
あったわけで・・・・。(この13年間の間。沢山の「ゴミ」と思しき「モノ達」を容赦なく
という程ではないが・・・。潔くというか・・・。深く考えつつ、そして必要なものを
「わたくし判断」で処分し、見直してきたのだと思う。)
又、新しく出発するのに「ここにある様々なもの」に振り回されつつ、そして程よい
関係が保たれる事が「良い事」なのだと最近、つくづく思うわけです。ーまあ、年を
とったせいもあってか「贅沢な心地」を味わえるように至ったという事か・・・。
「目利き」とはいうものの「眼開き」という風にある方から言われ。目をしっかり開けて
必要なものや「事」だけを考えてやってきたのかもしれない。「もったいない・もったい
ない」なんて言って「ゴミ」の山の中にいるのは厭!!な訳です!!
そのような訳で今日、御紹介するのはその「刺繍の屏風」を制作された方。ーまさか
お会いできるとは思ってもいませんでした・・・。当時「女学生」だったご婦人。お食事に
お見えになったとき・・・。「わたし共は決して、表だって人にお喋りなどするような事は
ありませんがね、これは今でも忘れられない品なのですよ。ー本当に時間を掛けて
丁寧に8人がかりで仕上げました。ーお祝いに間に合うように、そして材料などすべて
御祖父様からの支給でしたのよ。」と。選ばれた優秀な生徒さん方の作品です。
このように手先の込んだ仕事を10代の若き女学生の手なるものとは・・・。昔の人は
本当に凄い!!-多分、失われつつある「日本人の心」でしょうね・・・。